院長ブログ

名古屋市中区で美容外科を経営する院長の本音。

厚生労働省と東京都は7月7日「MDクリニックダイエットと称される製品を服用したことが原因と疑われる死亡事例が発生した」と報告しました。

死亡したのは本年4月、大田区在住の20歳代女性で、精神科、産婦人科への通院歴があり、国内の医療機関で処方された精神神経用剤、睡眠導入剤、排卵誘発剤、制酸・緩下剤等の各種医薬品を少なくとも死亡の約6ヶ月前から継続して服用。MDクリニックダイエットを本年3月上旬に海外(タイ)の携帯サイトを使用して、個人輸入により購入し、死亡の約2週間前から国内の医療機関で処方された医薬品と併用していた模様です。

死因は薬物中毒による溺死ですが、MDクリニックダイエットとの因果関係が強く疑われています。

MDクリニックダイエットとはタイの病院が処方するダイエットを目的とした医薬品の総称です。他にヤンヒーホスピタルダイエットも類似の医薬品です。これらのダイエット医薬品の情報はブログや掲示板等で広まり、インターネット等の個人輸入代行サイトを経由し、主に個人輸入により入手されています。

過去の発表において、各医薬品には食欲抑制薬、向精神薬、甲状腺末、便秘薬等を含有することが判明しており、健康被害や死亡事例が度々報告されています。

ダイエット薬品は日本国内でもサノレックス(抗肥満薬)が承認されていますが、厳しい処方適応や事前の血液検査等が必須とされています。また、他の薬品との併用にも注意が必要です。

MDクリニックダイエットの成分中の中枢性食欲抑制剤、抗うつ剤、甲状腺末などには確かにダイエット効果があり、口コミで広がるのも分かりますが、服用量や、適応を誤ると最悪の事態も起きうる非常に危険な配合薬と言えます。

こういった事例が増加してしまうと、厚生労働省も医薬品の個人輸入の規制に本腰を入れてくるかもしれません。

そうすれば抗がん剤など国内未承認薬に頼っている多くの患者さんが苦しめられる事態になりかねません。

現時点ではこれらのダイエット薬品はネットで簡単に手に入れることができますが、正確な情報を元に熟考していただければ幸いです。


コメント ( 0 )

投稿

名前
メールアドレス
URL
タイトル
コメント
パスワード
Cookieに保存