院長ブログ

名古屋市中区で美容外科を経営する院長の本音。

左からトレチノイン、ハイドロキノン、ビタミンCローション

左からトレチノイン、ハイドロキノン、ビタミンCローション


当院のシミ治療にはアレキサンドライトレーザーの照射と高濃度ビタミンCローション、トレチノイン、ハイドロキノンの塗布を行っております。レーザー照射のみの治療と比べ炎症後色素沈着の発生が少なく良好な結果が得られています。

今日はレーザーやトレチノインなどの薬について説明します。

レーザーとは
レーザーとは一つの波長の電磁波のことを言います。放射線も紫外線も可視光線も赤外線も電波もすべて電磁波ですが、それぞれ波長が異なっています。
紫外線の波長は280から400 nm(ナノメーター)、可視光線は400nmから760nm、赤外線は760nmから1mmです。 当院で使用するアレキサンドライトレーザーの波長は755nmで、可視光線の中でも一番波長の長いところに位置する赤色の光です。
電磁波は波長が短いほどエネルギーが高いという特徴があります。放射線や紫外線は波長が短いために、エネルギーが非常に高く、ダイレクトに遺伝子にダメージを与えたり、活性酸素を生じさせて、皮膚の老化を促進します。しかしながら波長の長い可視光線では、エネルギーが低いために遺伝子やタンパク質にダメージを与えることはありません。そしてアレキサンドライトレーザーは可視光線のなかでも波長の長い、穏やかな光で、メラニンに吸収されやすいという特徴を持っています、出力を上げることで、メラニンを持った細胞を破壊することが可能です。


トレチノインとは
トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)とはビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50-100倍であり、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものであります。このトレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことがありません。
トレチノインの皮膚に対する作用には以下のようなものがあります。
1.古い角質を剥がす作用。
2.表皮細胞の分裂・増殖を促進させる作用。
3.皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑える作用。
4.真皮のコラーゲンの生産を促進し、皮膚の張り、小じわを改善する作用。
5.表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の生産を促進し、皮膚をみずみずしくする作用。

ハイドロキノンとは
ハイドロキノンはメラニン合成酵素であるチロジナーゼの阻害剤です。さらにメラニン色素を作るメラノサイトに対して細胞毒性もあります。すなわち、しみの原因であるメラニン色素を作らせなくする漂白剤です。市販の美白製品では、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキスなどを配合した化粧品や医薬部外品が多数ありますが、成分の作用がハイドロキノンに比べて非常に弱い(100分の1程度)ため、市販されている商品の濃度では実際の美白効果は期待できません。

高濃度ビタミンCローションとは
ビタミンCは好中球より放出された活性酸素やフリーラジカルを還元作用により無毒化します。炎症を起こす活性酸素を減らし、炎症を抑えます。美白効果は非常に弱いですが、副作用がほとんどありません。

レーザー照射と合わせてこれらの薬を使用し、シミの治療を行います。


コメント ( 2 )

Re: シミ治療のレーザー、トレチノイン、ハイドロキノン、高濃度ビタミンCローションについて

薬用化粧品を開発なさったのですか!
そして、さきほどの、レーザーのお話、私、本当に電磁波がきらい!(なのにPC使っておりますが!)
森林浴すれば緩和されるのかなあ、と思い、ベランダに出て、緑の香りを鑑賞したりもします。もちろん、その他には自然がすき、というのもあります。
だってベランダから緑地公園がみえて、夜なんて針葉樹の香りがします。山を切り開いてできた街なので、
高速道路と、緑が豊富。
今年で、ここにきて10年!
ご縁があってよかったです。本当に。
さあ、話がそれて来ないようにしなきゃ。
メラニン細胞を破壊することによって、シミを消してゆくのですね。
難しいお話。
貴重なお話をありがとうございます。
そう、市販のお化粧品は効かないのね。残念。

appleple
返信
Re: シミ治療のレーザー、トレチノイン、ハイドロキノン、高濃度ビタミンCローションについて

血液をはじめ、ヒトの身体の細胞は、知らない間に素晴らしい働きを休みなく継続しているのですね。感謝しなくちゃね!
自分で出来る範囲では、身体にとって、良いものを摂取してゆくことかなあ。あと、美味しい空気を吸う、あとは、やっぱり心を磨くことだね。
いつも身体や、心(神経)を維持してくれているのだから、出来るかぎりの恩返しはしないと!
そしたら、細胞の喜んでくれて、豊かな心を持てると思います。
血液サラサラをめざそう!

シミは、治療しないと無理なんだね。
長い波長だと良くて、短いといけないのですね。
難しい!
やさしい波長で皮膚の細胞の状態を、改善していく、と、いうことですか!
相性が有るのですね。同じ種類でも、条件が悪いと、かえって悪い作用に働いて、条件が良いと、相性が合い、皮膚も、喜んでくれる!
そうだったんだ。
お勉強になりました!

appleple
返信

投稿

名前
メールアドレス
URL
タイトル
コメント
パスワード
Cookieに保存